フランスを代表する建築家ル・コルビュジエ(Le Corbusier)が妻のイヴォンヌとともに、1934年から1965年にかけてに住んでいたパリ郊外にあるアパートメント「ナンジェセール・エ・コリ通りのアパートメント」についての第6話目です。
第6話は、「寝室 兼 バスルーム その2」です。今回はベッドの見返しからシャワールームとトイレです。
もう1度、トレースしたプランから。
ベッドルームからの見返しですが、筒状のシャワールームがあります。上階への階段以外で考えると、円弧があらわれている平面はシャワールームだけ。集合住宅のため壁構造の足枷がある中、唯一コルビュジエの「自由な平面」が現れている部分なのかもしれません。
プラン上もその先のトイレ用手洗いへの動線として、壁が円弧になっているほうが良く、理にかなったプランニングになっています。
筒状のシャワールームの中は、斜めにした外壁のラインをうまく利用し、スリット窓を設けています。上段は換気用に片開き戸となっています。
排水のため、床が一段上がっています。
シャワー水栓は、入り口の上に取り付いています。
入り口上には水切りの工夫が。
奥のトイレ用手洗いには、天井いっぱいの幅3つ分のガラスブロックが設けられ、他の部屋と同様、随所に自然光を取り込む工夫が感じられます。
なんとこの洗面ボウル、浮いています!!
排水管が構造となっているアクロバティックなつくり。右隣のシャワールームからの排水管と繋がり、下階に排水が延びています。
残念ながら、トイレ用手洗いの反対側のトイレは撮影し忘れていました。
これで「寝室 兼 バスルーム」は終わりです。
次回は、いよいよ上階を巡ってみたいと思います。
第7話に続く。