フランスを代表する建築家ル・コルビュジエ(Le Corbusier)が妻のイヴォンヌとともに、1934年から1965年にかけてに住んでいたパリ郊外にあるアパートメント「ナンジェセール・エ・コリ通りのアパートメント」についての最終話です。
前々回の第7話までブログ記事で、2010年1月に私が訪れた時に撮影した写真で、各部屋を巡ってきました。これらの記事を書いているうちに、興味がわいたのが、コルビュジエ夫妻が実際にどのようにこの部屋を使っていたかということでした。
前回の第8話では、ピンタレストで見つけた「アトリエ」の当時の写真を引用してきましたが、最終話では、「アトリエ」以外の部屋の写真を引用していきたいと思います。「アトリエ」はメインの部屋なので、情報も多く、用途も想像できました。
この最終話の引用した「ダイニング」「キッチン」などイメージが、家具の置き方、ラグ、照明、インテリアの小物やアートなどによって、当時の生活が垣間見えてきます。
当時の「玄関」「階段」のイメージ
窓下の横長のニッチスペースに、牛?などの小物をインテリアとして飾っています。
当時の「サロン」のイメージ
「サロン」は、内覧できる現状とはかなり異なっていることがわかります。ソファー、ラウンジチェア2脚、センターテーブル、ラグ、アート、小物類が置かれ、このスペースが最もリラックスできたのかしれません。
写真左上の、ハイサイドライド部にもいろいろな小物が陳列しています。
下の写真は、なぜか左右反転した加工がされています。
竣工当時のイメージなのか、インテリアの要素は少ないです。この状況から、アートや小物類が追加されていったのかもしれません。
夜は、ここで読書にふけたのかもしれませんね。
当時の「ダイニング」のイメージ
ダイニングでは、なんと妻イヴォンヌとの2ショット写真が。後のカクテルシェーカーが乗っているのは、黒いコンソールでしょうか?
ダイニングでの食事風景。ダイニングにも彫刻が置かれています。
時期が異なるのか、上の2枚の写真とは、アートが異なります。
ダイニングからキッチンへのイメージでは、カクテルシェーカーが置かれていた黒いコンソールに彫刻と電話が置かれています。
当時の「キッチン」のイメージ
珍しいキッチンの写真では、コルビュジエ自身がコーヒーを淹れています。現状では、コンロは取り付いていないため、おそらく4口のコンロで、コンロ左側に浮いている鍋置きが便利そうです。
当時のキッチンのイメージでしょうか。
当時の「寝室」のイメージ
珍しい寝室の写真です。「サロン」ほど雑然としていませんが、ラグ、アート、小物で、落ち着いた雰囲気になっています。ベッド左側の扉が開いています!扉の先は鏡でした。姿見としての鏡だと思いますが、あえて扉をつけていたのかもしれません。
当時の「バルコニー」のイメージ
当時の「テラス」のイメージ
空中庭園であるテラス。植栽への水やりをしているイメージも。
当時の「建物前」でのイメージ
建物前で撮影されたイメージも。
以上となります。
「サロン」「ダイニング」「キッチン」「寝室」は、インテリアの雰囲気がわかり、生活が少し垣間見れた気がします。上階の寝室の当時のイメージは、残念ながら探すことができませんでした。
これで、ル・コルビュジエの最後の住まい ナンジェセール・エ・コリ通りのアパートメントの話しは終わりです。図面、写真を通して、これまで見えてなかった部分が浮かび上がってきました。他にも訪ねている有名建築があるので、また紹介できればと思っています。それでは。