フランスを代表する建築家ル・コルビュジエ(Le Corbusier)が妻のイヴォンヌとともに、1934年から1965年にかけてに住んでいたパリ郊外にあるアパートメントについての連載記事です。今回が第1話目。現地で撮影した写真を織り交ぜたブログ記事となります。
このアパートメントは、コルビュジエが生涯を終えるまで住んでいました。建物自体も設計し、近年になって、コルビュジエ財団によって1965年の状態にできるだけ戻し、公開しています。私は10年前の2010年の1月に訪れました。
先日のブログに書きましたが、ル・コルビュジエのいとこであるピエール・ジャンヌレのオリジナルソファーをお持ちのお客さまがいます。内装のデザインに、ル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレなどの近代建築のデザインを研究しているところです。特にスチールサッシや造作家具のデザインですね。
学校を卒業してから、ほとんどコルビュジエの作品に触れることなく過ごしていたことに気づき、手持ちの数少ないコルビュジエの作品集を読み返したり、過去におとずれたコルビュジエの建物の記憶をたどり、また現地で撮影した写真を見直しています。
(1月のパリはとても寒かった記憶が残っています。)
その中でも気になったコルビュジェが妻とともに暮らした最後の住戸「ナンジェセール・エ・コリ通りのアパートメント」です。
マンション内の最上階にあるこの住戸は、メゾネットタイプで、入り口のある下の部屋から上階にあがることができる階段がついています。
まずは、この住戸のメインともいえるアトリエから。六本木の森美術館で2007年に行われたコルビュジエ展のカタログの表紙にもなりました。アトリエ部分は2層分の天井高さを利用した大空間で、天井形状は、他の部屋にも見られるかまぼこ型のヴォールト天井となっています。
当時の写真がインスタグラムにありました。
アトリエですから、画材がたくさんおいてありますね。
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写真を見返しているうちに、部屋のプラン(間取り)、部屋と部屋の関係の記憶があいまいで、どこがどうなっていたか気になってしまい、いっそのこと平面図をトレースしてみました。(学生のとき以来のトレース。久々に初心に戻る)
次回、トレースしたプラン(間取り)から、玄関、サロン、ダイニングを巡ってみたいと思います。
第2話に続く。